雌牛の発情行動を抑制する新しい製剤 ボプリバ®︎

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製品概要

動物用医薬品 ボプリバ®︎ BOPRIVA®︎

ボプリバは、性腺刺激ホルモン放出ホルモンに対する抗体を産生させることで雌牛の発情行動を抑制する製剤です。
雌牛の発情行動には闘争行動や乗駕等が含まれ、これらによって外傷や肉質の低下、廃用による損失、並びに飼養管理上の困難を生じることがあります。本剤投与によって発情行動を抑制することでこれらの問題が軽減し、生産性の向上が期待されます。

[特別な注意]
本剤を投与する場合は、誤って人に注射することがないよう、また、妊娠中あるいはその可能性のある女性は投与作業を行わないよう注意してください。
なお、本剤投与にあたっては、本添付文書を熟読してください。

【成分及び分量】

品名 ボプリバ
有効成分 2-10-性腺刺激ホルモン放出ホルモン類縁体・ジフテリアトキソイド結合物溶液(2-10-性腺刺激ホルモン放出ホルモン類縁体・ジフテリアトキソイド結合物として)
含量 本品1頭分(1mL)中0.4mg

【効能又は効果】
牛:発情行動の抑制

【用法及び用量】
性成熟前あるいは性成熟後の雌牛の頚部皮下に1mLずつ3~4週間隔で2回投与する。初発情を抑制する場合には、1、2回目の投与を各々4~13、5~14ヵ月齢を目処に行う必要がある。なお、2回目の投与は、発情行動の抑制を予定する2週間前に行うこと。3回目以降の追加投与は、発情行動の抑制を予定する2週間前に1mLを1回頚部皮下に行うこと。

【使用上の注意】
(基本的事項)

1.守らなければならないこと
(一般的注意)

  • 本剤は、要指示医薬品であるので獣医師等の処方箋・指示により使用すること。
  • 本剤は、効能・効果において定められた目的にのみ使用すること。
  • 本剤は、定められた用法・用量を厳守すること。
    (使用者に対する注意)
  • 人に使用しないこと。
  • 本剤を投与する際は、誤って人に注射したり、注射針による刺傷が生じたりすることがないよう、十分注意すること。
  • 本剤の投与は、十分に熟練した者が行うこと。
  • 妊娠中あるいは妊娠している可能性のある女性は投与作業を行わないこと。
    (牛に関する注意)
  • 注射針は1頭ごとに取り替えること。
  • 長期にわたり投与部位反応が持続するおそれがあることから、本剤は頚部皮下投与のみとし、筋肉内に投与しないこと。
  • 用法及び用量に定められた部位以外に投与した場合の投与部位反応については検討されていない。万が一、誤って筋肉内に投与した場合、投与部位の筋肉に重度な腫脹等の副反応が皮下投与後の79日前後を上回って残存する可能性があるため、投与に際しては筋肉内に投与しないよう十分に注意すること。
  • 汚れた皮膚の部位を避けて投与すること。
  • 投与部位は70%アルコールで消毒すること。
    (取扱い及び廃棄のための注意)
  • 小児の手の届かないところに保管すること。
  • 本剤の保管は遮光し、加温又は凍結を避けること。
  • 本剤は開封後、遮光して2~8℃で保存し、4週間以内に使用すること。
  • よく振り混ぜてから使用すること。
  • 使用期限が過ぎたものは使用しないこと。
  • 外観又は内容に異常を認めたものは使用しないこと。
  • 本剤には他の薬剤を加えて使用しないこと。
  • 容器のゴム栓は70%アルコールで消毒すること。
  • 本剤を廃棄する際は、環境や水系を汚染しないように注意し、地方公共団体条例等に従い処分すること。
  • 使用済みの容器は、地方公共団体条例等に従い処分すること。
  • 使用済みの注射針は、針回収用の専用容器に入れること。針回収用の容器の廃棄は、産業廃棄物収集運搬業及び産業廃棄物処分業の許可を有した業者に委託すること。

2.使用に際して気を付けること
(使用者に対する注意)

  • 誤って注射された者は、本使用説明書を持参し、医師の診察を受けること。以後、本剤を取り扱わないこと。
    (牛に関する注意)
  • 本剤投与後2~3日間は安静に努め、移動等は避けること。
  • 副作用が認められた場合には、速やかに獣医師の診察を受けること。
    (取扱いに関する注意)
  • 本剤は、清潔な環境下で投与を行い、雨天の屋外又はほこりの多い条件下で使用しないこと。

(専門的事項)

  1. ①対象動物の使用制限等

    • 3ヶ月齢未満の雌牛には投与しないこと。[3ヶ月齢未満の雌牛に対する安全性は確立されていない]
    • 繁殖用の雌牛には投与しないこと。[誤って投与した場合、後の生殖能力に悪影響を及ぼす可能性がある]
    • 本剤の投与前には健康状態について検査し、使用の可否を決めること。
    • 対象牛が、次のいずれかに該当すると認められた場合は、健康状態及び体質等を考慮し、投与の適否の判断を慎重に行うこと。
      • 発熱など臨床異常が認められるもの。
      • 疾病の治療を継続中のもの又は治癒後間がないもの。
      • 明らかな栄養障害があるもの。
  2. ②重要な基本的注意

    • 2回目投与後32週まで有効性の持続が確認されており、その間の追加投与は必要ない。
  3. ③副作用

    • 本剤投与後、まれにアナフィラキシー症状を示すことがある。
    • 本剤投与後、一過性の体温上昇が認められることがある。
    • 本剤投与後、投与部位に熱感、重度の腫脹及び硬結が高率に発現する。
  4. ④その他の注意

    • 投与部位の腫脹及び硬結は本剤投与後79日前後まで認められることがある。対象動物安全性試験において、重度な腫脹及び硬結(直径7.5cm以上)が本剤投与後20日間程度認められた。
    • 本剤は、ジフテリアに対する免疫獲得を目的とするものではない。
    • 誤って人に注射した場合、男女ともに生殖能力が低下するおそれがある。
    • 誤って人に注射した場合、男女ともに不妊の原因となるおそれがある。
    • 誤って人に注射した場合、妊娠に悪影響を及ぼし、生殖器官の萎縮を起こすおそれがある。

【薬理学的情報等】
(薬物動態)
ラット6匹に本剤の有効成分である2-10-性腺刺激ホルモン放出ホルモン類縁体・ジフテリアトキソイド結合物を27.5μg/kgで2回皮下投与したとき、有効成分は血中において検出されなかった。また、ラット6匹及び豚6頭に有効成分を各々462.0μg/kg及び0.4mgで2回経口投与したとき、免疫原性及びホルモン活性は認められなかった。よって、牛に本剤を皮下投与しても、有効成分は主に投与部位に留まり、投与部位筋肉を人が経口摂取したとしても、ペプチドである有効成分は胃で機能を有さないペプチド断片及びアミノ酸に分解されるため、影響を与えることはないと結論された。

(臨床成績)
野外条件下における本剤の有効性を国内において評価した。本剤1mLを4週間隔で2回頚部皮下投与したところ、発情行動は2回目投与後2週以内に抑制され、その後32週まで持続した。抗体応答も2回目投与後2週以内に認められた。また、3回目の投与として本剤1mLを2回目投与後32週に投与したところ、速やかな抗体応答が認められ、発情行動の抑制は持続した。

(薬効薬理)
本剤投与により性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)に対する抗体が産生され、それらが視床下部から放出されるGnRHを特異的に中和することで、牛の発情行動は抑制される。

(対象動物安全性試験)
3ヵ月齢の雌牛3頭を1群として、本剤を常用量(1mL)又は10倍量(10mL)で試験0、21及び77日に皮下投与したとき、試験期間中(3回目投与後14日まで)に死亡例はなく、重篤な有害事象も認められなかった。投与との関連が考えられる臨床所見として、一過性の体温上昇が認められたが、常用量群では投与後5日までに回復した。また、投与部位に熱感、腫脹、硬結が認められた。常用量群で熱感は投与後6日までに消失した。腫脹及び硬結は投与後20日間程度、直径7.5cm以上の大きさで認められたが、1回目投与後80日、2回目投与後40日には消失した。3回目投与部位では投与後14日まで消失しなかった。摂餌量や増体に異常はなかった。
国内で実施した臨床試験では、本剤投与後、約8割の牛で腫脹および硬結の投与部位反応が認められた。これらは投与後3週には65%以上の牛で消失し、1回目投与後10週、2回目投与後9週、3回目投与後5週には全頭で消失した。その他、本剤投与と関連のある有害事象はなかった。

【有効期間】39ヵ月

【包装】50mL

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