ここからは要指示医薬品を含む動物用医薬品に関する情報を提供しています。

獣医療関係者を対象に、日本国内で動物用医薬品を適正に使用いただくため、日本の承認に基づき作成されています。

獣医療行為に携わっている方を対象にしており、一般の方、日本国外の方に対する情報提供を目的としたものではないことをご了承ください。

※要指示薬は獣医師等の処方箋・指示により使用してください。

獣医師・獣医療関係者 一般の方

犬糸状虫に対する
有効性について

国内臨床試験において、犬糸状虫の寄生予防効果100%を確認

人工感染試験において、マクロライド系薬剤耐性犬糸状虫に対し、1ヵ月間隔3回連続投与で98.8~99.5%の有効率※シンパリカ トリオの投与基準量と同量のモキシデクチン単剤を投与した際の有効性確認試験の結果

出典:申請資料

国内臨床試験
-犬糸状虫の寄生予防-

全頭で有効と判定され、有効率100%を確認

  • 国内6動物病院
  • シンパリカ トリオ群:犬40頭、対照群:犬44頭
  • 0日目の犬糸状虫検査(抗原検査・mf検査)に対して陰性の犬を供試
  • 各薬剤を1 ヵ月1回、計9回経口投与
  • 120、240、360、420日目に犬糸状虫検査(抗原検査・mf検査)で感染の有無を確認
  • 以下2つを満たしたとき有効であると判定
    (1) 360、420日目の抗原検査でいずれも陰性 (2) 360、420日目のmf検査でいずれも陰性

出典:申請資料

マクロライド系薬剤(ML)耐性
犬糸状虫の出現について

米国での経緯

出典:Bowman DD. (2012). Heartworms, macrocyclic lactones, and the specter of resistance to prevention in the United States. Parasites & Vectors 5:138.

Blagburn, B.L., Dillon, A.R., Arther, R.G. et al. (2011). Comparative efficacy of four commercially available heartworm preventive products against the MP3 laboratory strain of Dirofilaria immitis. Vet Parasitology. Vol 176.

Pulaski, C.N., Malone, J.B., Bourguinat, C. et al. (2014). Establishment of macrocyclic lactone resistant Dirofilaria immitis isolates in experimentally infected laboratory dogs. Parasites Vectors 7, 494.

Bourguinat, et al. (2011). Macrocyclic lactone resistance in Dirofilaria immitis. Veterinary Parasitology. Volume 181. 27 September, 388-392

犬糸状虫のマクロライド系
薬剤耐性に直面し、
数あるマクロライド系
駆虫薬の中から、
モキシデクチンを理想的な成分として選択

出典:1) Blagburn, B et al. Parasites & Vectors 2016;9(1):191. 2) Prichard, R et al. Parasitol-Drug 2012;2:134-153. 3) AI-Azzam, S. Biopharm Drug Dispos 2007;28(8):431-438. 4) Prichard, K et al. Int J Parasitol-Drug 2019;10:69-83. 5) Letendre, L.J Vet Pharmacol Therap 2016;40:35-43.

マクロライド系薬剤耐性犬糸状虫
(JYD-34株、ZoeLA株、ZoeMO株)に対する

経口モキシデクチンの有効性

様々なモキシデクチン用量
(3, 6, 12, 24, 40, 60μg/kg)で
有効性を評価

  • 研究1:n=8 JYD-34株のL3を50隻皮下投与
  • 研究2:n=5 JYD-34株 or ZoeLA株のL3を50隻皮下投与
  • 研究3:n=5 ZoeMO株のL3を50隻皮下投与
  • 評価:成虫を回収するため、皮下投与4〜5ヵ月後に全頭を剖検

結果

  • すべてのモキシデクチン投与群は、対照群よりも有意に少ない寄生数
  • モキシデクチン24μg/kg(0.024mg/kg)はマクロライド系薬剤耐性犬糸状虫に対する
    最適用量とみなされた

単回投与で53.2%であったが、1ヵ月間隔3回連続投与では98.8〜99.5%であった

出典:Mctier TL, et al. (2019). Preventive efficacy of oral moxidectin at various doses and dosage regimens against macrocyclic lactone-resistant heartworm (Dirofilaria immitis) strains in dogs. Parasit Vector,12:444,1-11.

  • 各群:犬6頭
  • 方法:投与30日前にZoeLA株またはJYD-34株のL3を50隻皮下投与
    下記の各薬剤を1ヵ月毎に6回投与(モキシデクチン群は、1ヵ月毎に4回or6回)
  • 評価:L3皮下投与約9ヵ月後に成虫の回収を実施
薬剤名 経口投与した
用量
マクロライド系薬剤耐性犬糸状虫の減少率
ZoeLA株 JYD-34株
モキシ
デクチン
24μg/kg、1ヵ月毎に6回 96.1% 99.3%
薬剤A 0.5-1.2mg/kg、1ヵ月毎に6回 21.2% 54.6%
薬剤B 6.2-15.5μg/kg、1ヵ月毎に6回 18.7% 63.9%

薬剤A:ミルベマイシンオキシム+プラジクアンテル含有

薬剤B:イベルメクチン+ピランテルパモ酸塩含有

出典:MKryda al. Preventive efficacy of four or six monthly oral doses of 24 µg/kg moxidectin compared to six monthly doses of Heartgard® Plus or Interceptor® Plus against macrocyclic lactone-resistant heartworm (Dirofilaria immitis) strains in dogs. Parasite Vector 2020;13:339

  • ノミに
    対する有効性

  • マダニ
    に対する有効性

  • 消化管内線虫に
    対する有効性