Q1
投与回数が月1回になるメリットは何ですか?
A
トロコキシルは1ヶ月おきに投与を行うので、従来の経口NASIDsと比べて投与回数が少なく、飼主さまの負担が減少します。また、投薬コンプライアンスが遵守されやすいことから、慢性疼痛をより確実にコントロールすることができます。長期間の確実な疼痛管理は、活動性の改善、関節運動の許容による関節機能の回復、関節の病的変化の進行遅延にも貢献します。
Q2
なぜ、食餌と共に投与しなければならないのですか?
A
食餌は、経口投与後のトロコキシルの吸収に極めて大きな影響を及ぼします。食餌をした犬におけるトロコキシルの生物学的利用率は87%であり、絶食した犬では46%です。マバコキシブは溶解性が低く水にほとんど溶けませんが、食餌による胃内滞留時間の延長や胃内環境の変化により吸収が高まったためであると推測されます。
Q3
投与後、嘔吐した際の再投与について教えてください。
A
トロコキシル投与後に錠剤またはその一部を吐出あるいは嘔吐した場合、それらを再投与しても構いません。ただし、新たに薬剤を開封して再投与しないでください。
Q4
主な副作用は何ですか?
A
通常のNASIDsと同様に、一番多く出現する可能性が高いのは消化器症状と考えられています。
Q5
トロコキシルを投薬中のモニタリングはどうしたらいいですか?
A
トロコキシルを投与開始前及び3回目の投与前に、精密検査(血液学的検査、血液生科学的検査及び尿検査)を行ってください。投与期間中は、定期的に腎機能の検査項目(BUN、クレアチニン及び尿比重)についてモニターしてください。

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北海道大学大学院 獣医学研究科
奥村正裕先生

「変形性関節症と
NSAIDsの長期投与」
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NSAIDsを長期投与すると肝臓へのあくえいきょうや消化管障害のリスクが高まるのではないでしょうか? 慢性疾患である犬の変形性関節症に対するNSAIDsの長期的な使用が注目されている