MERIT

薬剤のムダづかいを抑えられる

健康な豚や軽度の病豚、すぐに治療が必要な病豚など、豚房内にはさまざまな豚がいます。どの豚にどのような治療を施すべきなのか判断が難しく、すべての豚に同じ薬剤を投与しているケースも少なくありません。
余分な薬剤費の軽減

病豚と同じ薬剤を健康な豚にも投与することは時間や費用の節約になると捉えがちですが、実はその逆。時間も薬剤も余分に使ってしまっているのです。また、適切なタイミングで治療されなかった豚は回復するまでに時間がかかってしまい、長期間薬剤を投与し続けなくてはなりません。どちらの場合も薬剤費の大きな負担になってしまいます。

豚の個体診療(IPC)は、病状レベルに応じて適切な治療を適切なタイミングで行います。薬剤のムダづかいや連続的な使用を無くし、余分な薬剤費の軽減につなげます。


薬剤耐性菌によるリスク

抗菌剤を連続的に使用し続けていると、病原菌がその威力から逃れようと進化して薬剤耐性菌が生まれます。薬剤耐性菌によって豚の治療はより困難になってしまいます。このリスクを低減するため、抗菌剤の使用は責任を持ってよく検討し、必要なときに必要な豚への投与を心がけましょう。この取り組みは「抗菌剤の慎重使用」と呼ばれ、獣医師を始めとする関係者が連携して取り組んでいく必要があります。