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目的に合わせた最適な選択

犬アトピー性皮膚炎の
治療アプローチについて

犬アトピー性皮膚炎(以下、CAD)は、その病因も含めとても複雑な疾患です。
そのため、それぞれの患者にとって最大の治療効果が得られるように複数の治療法を併用すること(=複合的な治療)が最善の治療アプローチです。
アレルゲンの回避、感染の制御、炎症と掻痒の管理、CADで起こる免疫学的な変化に対する治療、および表皮のバリア機能の強化が、複合的治療法において重要となります。
治療アプローチはまず「基礎治療」の確立から始めると組み立てやすいでしょう。
通常は一般的な薬剤や生物学的製剤が基礎治療として選択され、どの患者にもその患者にとって最も有効なものが存在すると考えられます。
効果的かつ信頼性の高い基礎治療を確立したら、次に患者の状態を全体的に引き上げてくれる補助的治療を追加します。補助的治療の内容はそれぞれの患者の状態、飼い主のコンプライアンスや経済的事情などの要因によって異なります。
このように、複合的治療の最適な組み合わせを見つけることは、有効・安全・持続性のある、そして飼い主の手の届く範囲かつ納得して受け入れられる治療を犬の生涯にわたって提供するために非常に重要となります。

Dr. Douglas DeBoer

ダグラス デボア

ウィスコンシン大学マディソン校
獣医皮膚科学教授
アメリカ獣医皮膚科学会専門医

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  • サイトポイント

    持続的で長期にわたる痒みの緩和に 月に1回の皮下投与

    • アトピー性皮膚炎に伴う症状及びアレルギー性皮膚炎に伴う掻痒を緩和します。
    • IL-31のみを標的として特異的に中和する抗イヌIL-31モノクローナル抗体です。

    サイトポイント®
    以下のケースに適しています

    • 1回で1ヵ月間の持続的な痒みの管理
    • 投薬コンプライアンスの向上
    • 経口薬の投与が難しい飼い主や犬
    • アポキル®錠を含む一般的な薬剤との
      併用の制限なし※1/併発疾患を持つ犬
    • すべての年齢の犬
    • 肝臓・腎臓での代謝/排泄が行われない
  • アポキル錠

    素早い痒みの緩和と柔軟な治療計画に 経口投与剤

    • アトピー性皮膚炎に伴う症状及びアレルギー性皮膚炎に伴う掻痒を緩和します。
    • IL-31や複数の炎症性サイトカインのJAK を介したシグナル伝達を阻害する選択的JAK阻害剤です。

    アポキル錠®
    以下のケースに適しています

    • 投与4時間以内の素早い痒みの緩和
    • 短期的・長期的※2 いずれも
      フレキシブルな投薬
    • NSAIDs、抗菌薬、駆虫薬など
      一般的な薬剤との併用※3
    • 12ヵ月齢以上の犬
    • 除去食試験中の痒みの管理に※4

※1 外部内部寄生虫駆除剤、抗菌剤、抗炎症剤およびワクチンを含む他の動物用医薬品と併用した臨床試験において、薬物相互作用は認められませんでした。
※2 用法及び用量:オクラシチニブとして体重1㎏あたり0.4mgを、1日2回、最長14日間経口投与する。さらに継続する場合には1日1回投与する。ただし、投与期間は1年を超えないこと。
※3 ステロイド系抗炎症薬やシクロスポリン等の免疫抑制作用を有する薬剤は、アポキル®錠およびこれらの薬剤の副作用のリスクを増加させる可能性があるため、併用には注意を要します。
※4 Sensitivity and specificity of a shortened elimination diet protocol for the diagnosis of food-induced atopic dermatitis (FIAD), Vet Dermatol 2021; 32: 247-e65

Q&A

Qロキベトマブの代謝・排泄経路はどのようになっていますか? 1) 5)
A米国の14の動物病院における犬アトピー性皮膚炎に罹患した犬を対象に、サイトポイント®の安全性評価を無作為化盲検試験により実施した。サイトポイント®群(162頭)にはロキベトマブとして1.0~3.3 mg/kgを、対照群(83頭)にはプラセボ溶液を0および28日目に皮下投与し、42日目まで観察した。
Qアポキル®錠や経口コルチコステロイド製剤、経口シクロスポリン製剤などとは併用可能でしょうか?
Aサイトポイント®は、併用薬に関する制限事項はありません。またサイトポイント®はIL-31を特異的に標的とし、正常な免疫機能に対する影響が最小限に抑えられているため、これらの製剤と併用することによる免疫機能へのリスクを増強する可能性はほとんどないと考えられます。
さらに、外部・内部寄生虫駆除剤、抗菌剤、抗炎症剤及びワクチンを含む他の動物用医薬品をサイトポイント®と併用した臨床試験において、薬物相互作用は認められませんでした。
Qアポキル®錠、経口コルチコステロイド製剤、経口シクロスポリン製剤などで治療していますが、サイトポイント®へ切り替える際に休薬期間を設ける必要はありますか?
Aいずれの薬剤についてもサイトポイント®投与前に休薬期間を設ける必要はありません。
Qサイトポイント®を長期的に投与することは可能でしょうか?
Aサイトポイント®は、投与期間に制限は設けられておらず、犬アトピー性皮膚炎の長期的な管理が可能です。
7回反復皮下投与による対象動物安全性試験および9ヵ月間の欧州臨床試験が実施され、長期投与における高い忍容性が確認されています。
Q犬以外の動物に投与してもよいでしょうか?
Aサイトポイント®はイヌ化抗IL-31モノクローナル抗体であり、犬のIL-31のみを標的として開発された製剤です。
また犬以外の動物に投与すると抗薬物抗体を形成すると考えられます。犬以外の動物には投与しないでください。

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サイトポイント®特別セミナー Q&A

サイトポイント®の作用機序

参考文献
1):国内承認申請資料
5):石井ら、抗体医薬品の体内動態制御にかかわる受容体:FcRn 日薬理誌(Folia Pharmacol. Jpn.)136, 280-284(2010)