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マイコプラズマ , 免疫

初乳の重要性と細胞性免疫

ゾエティス・ジャパン(株)テクニカルサービス部 岩隈昭裕

初乳と免疫

新生子豚は、免疫機能をほとんどすぐには十分に使えない状態で生まれてきます。そして、母豚からの初乳を飲むことで、その中に含まれる抗体やリンパ球などの免疫にかかわる成分を体内に取り込み、一時的に自分自身で使えるように身に付けます。もし初乳を十分に飲むことができないと、子豚は抵抗力が弱い幼い時期を健やかに発育することができなくなるほど、初乳は子豚が生きていく上で極めて重要な役割を担っています。

母豚から初乳が泌乳される時間は非常に短いため、子豚にきちんと免疫にかかわる成分を移行させるには、生後できるだけ早い時期に初乳を飲ませることが大切です。また、子豚にとっても初乳中の細胞成分を吸収できる時間はとても短く、生後半日も経過すると5~10%程度、24時間以降ではほとんど吸収能力がなくなるとされています。
注意が必要なのは、時間だけではありません。初乳に含まれるリンパ球などの免疫細胞は、子豚を産んだ母豚からしか吸収、つまり、腸管を通って血液内に入ることができません。里子に出さなければならない状況であっても、出生直後は実母の初乳を飲ませてあげることが極めて重要です。

マイコプラズマと細胞性免疫

マイコプラズマ ハイオニューモニエに対して、リンパ球などの細胞性免疫が重要であることは良く知られています。リンパ球の一部は異物(抗原)を記憶する働きがあり、一度記憶すると、次に同種の抗原が侵入したときには抗体を速やかに産生します。
子豚にマイコプラズマワクチンを投与すると、初乳を介して子豚に吸収されたリンパ球を活性化することが報告されています。
レスピシュア ワンを1週齢あるいは3週齢の子豚に投与した実験では、1週齢に投与した方がより強い細胞性免疫を誘導しました。また、細胞性免疫をより強く誘導するマイコプラズマワクチンは、肺病変の形成抑制や日増体量においても優れていたことが報告されています。マイコプラズマワクチンを生後早期に投与することは、母豚由来の免疫細胞であるリンパ球を活用して、より強力に免疫を誘導することができる可能性があります。

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