アポキル錠

Q&A
Q1.食餌の影響はありますか?
A.

いいえ。
アポキル錠の血中濃度は空腹時でも食後でも同じ推移であることから、食餌の影響は受けません。
したがって犬が薬を嫌がる場合は、食餌と共に与えるといった工夫が可能です。

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Q2.投与後数日で症状緩和が認められた場合でも、2週間は1日2回投与したほうがいいのでしょうか?
A.

症状の緩和が認められた場合は、14日間以内であっても1日1回投与への減量が可能です。
また、急性炎で短期に治療が奏功した際には、獣医師の判断により投与を終了することもできます。

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Q3.なぜ最長で14日間BIDのあと、SIDに投与回数を変更しなければいけないのですか?
A.

用法用量は、ヤヌスキナーゼ1(JAK1)依存性のそう痒惹起性およびアレルギー促進性のサイトカインに対する効果を最大化しつつ、JAK2依存性サイトカインに対する効果を最小にするために選択されました。JAK2依存性サイトカインは、造血および自然免疫機能にとって重要であり、これらを過度に阻害すると好ましくない副作用を引き起こす可能性があります。これらの理由から、用法用量を守って、最長14日間BIDの投与の後は、SIDに減量する必要があります。

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Q4.急性の皮膚炎に対し、アポキル錠を投与したところ、充分な改善が認められました。
アポキル錠の投与を中断出来ますか?
A.

はい。急性の皮膚炎に対してもアポキル錠は有効です。痒みや症状の緩和が認められた段階で獣医師の判断により投薬を中止することができます。
ただしその際に、アレルギーの抗原が除去されていなかったり、悪化要因の探索ができていないと、投薬中断後に症状が悪化することもあるので、注意が必要です。

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Q5.ワクチンへの影響はありますか?
A.

犬においてアポキル錠が主要ワクチンの免疫反応に及ぼす影響を調査しました。
14~18週齢の若齢ビーグル犬にアポキル錠をオクラシチニブとして1.8mg/kg(定められた用量の3倍量)で1日2回12週間投与(定められた用法の6倍の期間)し、試験28日及び56日にイヌパルボウイルス(CPV)、イヌジステンパーウイルス(CDV)、イヌパラインフルエンザウイルス(CPIV)の混合生ワクチンを皮下投与しました。
また、試験56日に狂犬病ウイルス(RV)の不活化ワクチンを皮下投与しました。
試験84日の抗体価を測定したところ、CPV、CDVおよびRVでは全頭(8/8頭)が適切な免疫応答を示しました。CPIVに対しては、8頭中6頭で適切な免疫応答を示したものの2頭では基準を超える抗体価は誘導されなかったため、アポキル錠投与中にCPIVワクチンを接種する際には、必要に応じワクチンテイクの確認が求められます。
Ref. 国内申請資料

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Q6.食物アレルギーの原因となるようなタンパク質は製剤に含まれますか?
A.

アポキル錠に、食物由来物質や、食物アレルギーの抗原と認識されるようなフレーバーは含まれません。

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Q7.抗菌剤や駆虫薬と併用した例はありますか?
A.

海外や国内臨床試験で、全身性抗菌剤や駆虫薬と併用した報告があります。
犬アトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎では皮膚感染症や外部寄生虫症が合併している例がしばしば存在するため、本剤の投与開始前にこれらについて検査し適切な治療を行うことが肝要です。

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Q8.消化器系の有害事象(嘔吐など)はアポキル錠療法の継続と共に解消しますか?
それとも、アポキル錠の投与中止や用量調節が必要ですか?
A.

嘔吐や下痢などの消化器症状が、アポキル錠の副作用として報告頻度が高いものです。ほとんどの場合は、消化器症状発現後もアポキル錠の用量調整や投与中止を行うことなく、これらの症状は緩和、消失しました。
一方、一部の嘔吐の症例(たとえば長期臨床使用時の試験によると、30回中9回)では休薬あるいは対症療法を必要としたので、副作用の発現状況によってご判断ください。

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Q9.アポキル錠を分割してもいいですか?粉末状で投与できますか?
A.

アポキル錠の中央には割線があり、2分割することができます。しかしながらさらに分割および粉末の投与での有効性/安全性/安定性などは評価されていません。

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Q10.分割した錠剤は何日間もちますか?
A.

本剤を分割投与する場合は、分割後3 日以内に使用してください。

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Q11.オクラシチニブは血液脳関門を通過しますか?
A.

オクラシチニブは、全身に広く分布することが確認されていますが、脳、脊髄および脳脊髄液では低濃度であったことから、血液脳関門はほとんど通過しないと考えられます。

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