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PRRS, PRDC

パイプストーン×ゾエティス 特別インタビュー
米国の経験から学ぶPRRS対策 前編

ゴードン・スプロンク先生 パイプストーンホールディングス取締役会長
スコット・ディー先生 パイプストーン獣医サービス研究部長

米国におけるPRRS対策の知見について、スプロンク先生とディー先生にお聞きしました。

PRRS対策:成功までの道のり

豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)が最初に報告されたのは1980年代の後半で、北米やヨーロッパを中心に感染が拡大しました。ディー先生は、PRRSがまだミステリー病と呼ばれ、診断方法もなければワクチンもない時から、この疾病と戦い続けています。原因がわからずに死んでいく豚の対応に苦しむ生産者を目の当たりにして、何もできない葛藤に苦しんだと言います。

スプロンク先生は、PRRSとの戦いに3つの局面があったことを話されました。ご自身の農場にPRRSウイルスが入ったときに豚を救う方法がまったくなかったこと、次にようやくワクチンが開発されましたが、それでもPRRSコントロールに失敗したこと。3段階目でようやくワクチン接種による成果が出せるようになったと言います。PRRSワクチンの適切な使用方法を経験から学び、そして成功することができたのです。

弱毒生ワクチンを使うということ

生ワクチンには生きた遺伝子組換えウイルスが入っています。このウイルスは安全に農場現場で使用できるように「弱毒化」されています。例えると、噛まれても痛くないよう牙を抜く処理をしています。アメリカには、承認された不活化ワクチンがありますが、不活化ワクチンはPRRSに対して十分な免疫応答をもたらすことができません。適切に免疫を誘導するには生ワクチンを使う必要があります、とディー先生は言います。

スプロンク先生が強調されていたのは、ワクチン接種は新しい感染を予防するものではないということです。「感染を予防するためにワクチンを接種するのではありません。PRRSワクチンは、母豚と子豚にある程度の防御力を与えるものです。農場全体や離乳子豚のリスクが高い場合は、生ワクチンを使用すればある程度の免疫を誘導することができるので、接種について検討する必要があります。」

また、スプロンク先生は、接種するタイミングが重要だと考えています。子豚に関しては、野外感染が起こる前に接種し、免疫を確立することが一番重要な決め手になります。獣医師と生産者が適切に検査を行い、正しいタイミングを判断し、野外株にさらされる前の一定の期間内に接種する必要があります。

PRRS野外株とワクチン株の相同性

PRRSウイルスは、時間と共に変異していきます。今までのところ生ワクチンは完璧な防御ではないにせよ、一定の効果が得られています。ディー先生のチームは、複数回の解析を行い、ワクチン未接種群ではワクチン接種群よりも常に成績が悪くなったことを確認しました。

スプロンク先生は、パイプストーンにおける打開の糸口は、ワクチンを信頼したことだったと話しました。「ワクチンのPRRSウイルスに対する防御は100%ではありませんが、空気フィルター、ワクチンの接種タイミングといった対策を組み合わせることで、期待する十分な効果が得られました。これらすべてを含めて何が期待できるかを理解し、実際に生ワクチンを使うことに自信を持つことができました」と言います。

変化するPRRSウイルスとの戦い

ディー先生とスプロンク先生は、今までと同じようにRRRSウイルスは突然変異により新しい株が出現し、ウイルスの性質が変化し続けるでしょう、と言及しました。

さらに、スプロンク先生は、我々は正しい対策方法を着実に学んでいると言います。例えば現在では、離乳時にPRRS陰性の豚を作出することは農場にとって非常に価値のあることがわかっています。そのためには、母豚がPRRS野外ウイルス陰性の状態を維持して、母豚群にはワクチン由来のウイルスしかいない状態を作ることができれば、農場の収益が大きくなり、何も対策を行わないよりも優れた成績を上げることができると強調しました。

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