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マイコプラズマ, PRDC, AIF

特別インタビュー③

早わかり!米国における豚マイコプラズマ性肺炎の取り組み事例(後編)

ジョセフ・コナー先生 カーセージ・ベテリナリー・サービス(米国)

マイコプラズマ ハイオニューモニエ(マイコプラズマ)は豚の肺炎の原因であり、豚呼吸器複合病(PRDC)の主要病原体の1つです。マイコプラズマ対策の最新知見について、ジョセフ・コナー先生が解説します。

コナー先生インタビュー:米国における豚マイコプラズマ性肺炎の取り組み事例 後編(7分)

マイコプラズマの診断ツール

診断ツールは多数ありますが、豚群の病性履歴にもとづき決めています。マイコプラズマは母豚から子豚へ伝播することから、私たちは、特に育成後期の繁殖候補豚に注目しています。ミネソタ大学マリア・ピータース先生らの研究によると、繁殖候補豚は240日齢までマイコプラズマを排泄することがわかりました。ゴールを「哺乳子豚への曝露を最小限にすること」と考えると、逆算すれば30〜40日齢で繁殖候補豚を再曝露します。

主な検査方法

  • 母豚舎への導入時に繁殖候補豚をPCRまたはELISAを用いて検査
  • 離乳子豚のマイコプラズマ浸潤を調べる時は、子豚から喉頭スワブで試料を採取してPCRで検査
  • 肥育期~仕上げ期には、剖検や摘出された肺組織のPCR検査 など

さらに詳しいマイコプラズマの検査方法はこちら

マイコプラズマ ワクチンの投与タイミング

私たちは離乳豚におけるマイコプラズマの浸潤を低レベル、中レベル、高レベルと大まかに分類しています。肥育豚におけるマイコプラズマの動きや、経済的な影響を予測できるからです。離乳豚の浸潤が30%を超える場合を高レベルとし、この場合、① 繁殖候補豚の早期曝露② 1日齢以降の子豚への早期ワクチン投与、の2つを行います。 現在、私たちは3〜5日齢でマイコプラズマワクチンを投与しています。初乳から得られた大量の移行抗体があっても、ワクチンで免疫付与できることが明らかになっています。

初乳の重要性と細胞性免疫についてはこちら

子豚のワクチン投与で気をつけるべきこと

子豚のワクチン早期投与におけるもう1つの検討事項として、PRRS、PCV2、インフルエンザなどのウイルスの有無を考慮します。ほとんどの豚群において、PRRSやインフルエンザの安定化を行い、PCV2ワクチンを投与することで、哺乳子豚が移行抗体によってうまく防御され、循環しているウイルスは高レベルではなくなることがわかっています。

例えば、このような豚群では、マイコプラズマとPRRSウイルスが複合感染すると、経済的損失はより大きくなります。さらに離乳後にマイコプラズマワクチンを投与すると、注射針を介してPRRSウイルスが伝播して、ほかの子豚に拡散してしまう可能性があります。したがって、断尾や歯切等の出生後処置にレスピシュアワンを投与することで、豚をマイコプラズマのマイナス影響から守り、離乳子豚にワクチンを投与する際に起こりうる注射針によるPRRSウイルスの伝播を回避します。

マイコプラズマ対策の重要なポイント

マイコプラズマのコントロールにおいて重要なポイントは、離乳時の感染による浸潤を下げることです。私たちは、母豚群に入る前の繁殖候補豚がまだとても若齢のときにワクチンを投与しました。次に、子豚が離乳する時や離乳後に群編成をする時までに、優れた免疫を獲得できるように、哺乳子豚にワクチンの早期投与を行っています。

コナー先生インタビュー:米国における豚マイコプラズマ性肺炎の取り組み事例 後編(7分)

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