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2016年5月、ゾエティス・ジャパン(株)の新社長に加藤克利が就任いたしました。日本人初のリーダーとして加藤は「革命を起こす」と意気込みます。そこでレボリューション(革命)の旗印を掲げて戦ったプロレスラー天龍源一郎氏を招き、革新、挑戦の神髄についてうかがいました。アニマルヘルス業界を常にリードする、ゾエティスのこれからにご注目ください。

天龍 源一郎
GENICHIRO TENRYU

本名・嶋田源一郎。1950年2月2日、福井県生まれ。大相撲(最高位・西前頭筆頭)を廃業後、76年に全日本プロレスに入団。以後、SWS、WAR設立、フリー、天龍プロジェクトなど各団体のリングに上がり活躍した。15年11月、引退。

加藤 克利
KATSUTOSHI KATO

ゾエティス・ジャパン株式会社代表取締役社長。1966年7月4日東京都神田生まれ。大学卒業後に会社勤務を経て米国大学院に留学し、MBAを取得。2010年、ファイザーにコンパニオンアニマルビジネス統括部長として入社。2016年5月1日49歳で社長就任。


顧客への情熱
お客様ニーズに答えるのは
製薬会社もプロレスも同じこと

加藤克利
天龍さん、40年間のプロレスラー生活おつかれさまでした。
天龍源一郎氏
加藤さんも社長就任おめでとうございます。
加藤
実はこうして握手するのは初めてじゃないんです。
天龍氏
えっ?
加藤
27年前、留学先の米国オハイオ州クリーブランドで天龍さんの試合を見ているんです。そのときに握手と記念撮影をして頂きました。これがその写真なんですが……。
天龍氏
これは懐かしい。89年2月というと僕が39歳のころですね。
加藤
試合の後、外はマイナス15度だったんですが、大ファンの天龍さんに会って寒さも吹っ飛んだ気がします。そのときに「日本から留学?大変だけど頑張りなよ」とかけられた言葉が大げさではなく私の人生を変えてくれました。当時は語学力もまだ低く、学校の課題をこなすのにも時間がかかる大変な状態だったんです。でもこの言葉で救われた気がしました。
――それで社長にまでなったんですから、天龍さんは救いの神でもあるわけですね(笑)。
天龍氏
いやいや、そんなことはありませんよ(笑)。
加藤
今回はその御縁もあり、改めて天龍さんにお話をうかがいたいと考えています。
――まずはゾエティスという会社のご説明を、加藤社長からお願いします。
加藤
ゾエティスは動物に特化した製薬企業で動物の健康をサポートしています。対象となる動物は、犬や猫などのコンパニオンアニマル(ペット)、牛・豚・鶏のライブストック(畜産)、大きくそのふたつに分けられます。さらに日本ではプラントヘルス(農薬)ビジネスも展開しています。天龍さんはペットを飼われていたことは?
天龍氏
いつかは飼ってみたいという憧れはドーベルマンなんですが、実際に飼っていたのは猫です。これまで4匹飼っていましたが本当に家族みたいなものでした。
加藤
ゾエティスではペットが健康で長生きできるようにと動物用医薬品の研究、開発から製造、販売まで行っています。
天龍氏
ペットを亡くすと飼い主の方もがっくりとなりますからね。
加藤
いわゆるペットロスですね。ペットの健康を支援することは、結果として飼い主の方々の幸せにつながる。これがゾエティスの変わらぬスタンスです。そしてもうひとつの畜産動物に対するサポートですが、天龍さんは現役時代に相当な量の牛肉、豚肉、鶏肉を食べてこられたんじゃないですか?
天龍氏
僕はリングを降りても常にプロレスラーでありたい、それがこだわりでした。だからコンビニには行かない。試合が終わったら焼き肉なんかをたっぷりと食べていましたね。
加藤
畜産動物の健康を管理することは、安心、安全で高品質な食品(畜産物)を安定して提供することでもあります。我々は間接的にですが天龍さんをサポートしていたことになりますね(笑)。ところでゾエティスはファイザーの一事業部からスピンオフして新規上場して独立しました。それが3年前のことです。天龍さんも全日本プロレスからSWSに移られて、その後にWARという新団体を設立されました。社長・天龍はどういうタイプでしたか?
天龍氏
実際に社長をやると分かりますが、会社が順調にいくことが何よりの喜びなんですよ。この会社に携わっている人が生活をきちんと営んでいければ、上に立つ人間としてこれほどの喜びはない。設立当初はそれが目標ではなかったはずなのに、続けているうちに自分が変わってきましたね。
加藤
なるほど。レスラーとは別に社長としての一面が出てきた、と?
天龍氏
不思議ですよね。
加藤
それもひとつのリーダー論ですね。今の言葉は今後の社長業の参考にさせていただきます。
――さて、少し話題を変えてみましょう。天龍さんは「レボリューション」という旗の下で、当時在籍していた全日本プロレスに革命を起こしました。動物用医薬品の世界でも革新的な製品を開発しているゾエティスと通じる部分もあるのではないでしょうか?
加藤
天龍さんのプロレスはそれまでに見たことのない激しく新しいスタイルでした。私どもゾエティスも常に「何か新しいことに挑戦して、革新的な製品をどんどん出していきたい」、そう考えています。たとえば抗悪性腫瘍剤です。
天龍氏
最近はペットのがんというのを耳にしますね。
加藤
ゾエティスは犬用の抗悪性腫瘍剤を初めて開発して提供しています。それと犬や猫にはフィラリアという恐ろしい病気があります。予防のために1ヶ月に1度の投薬が必要です。でも飼い主の方がペットに投薬するのが大変だったり、うっかり投薬を忘れてしまうこともあります。そこで我々は1回の注射で1年間その効果が持続する犬用の予防薬を開発しました。さらにはフィラリアに加えてノミやミミヒゼンダニにも効くペット用の薬があります。
――まさに革命的ですね。
加藤
畜産の分野では、免疫学的に去勢を行う豚用の製剤や、注射ではなく鼻から投与する牛の呼吸器病ワクチンを開発し、動物に与える痛みやストレスを軽減した処置ができるようになりました。獣医療に革命(レボリューション)を起こすような製品を開発する会社である点で、私は天龍さんに親近感を感じているんです。それともうひとつ、ゾエティスには天龍さんとの共通点があるんです。
天龍氏
何でしょうか?
加藤
天龍さんは多くの団体に上がり、電流爆破などのデスマッチから格闘技スタイルまで、様々な戦いをファンに提供してきましたよね。
天龍氏
僕は自分のことを客観的に見る、1人のファンでもあったんです。だから「これなら喜んでもらえる」「これならお客さんが来てくれる」と常に考えていました。ファンの求めるものを実現できた喜びは何物にも代えられません。
加藤
なるほど。やはり常々思っていたとおり天龍さんは「究極の顧客主義・顧客志向」なんですよね。ゾエティスには会社の信念、コアビリーフというものがあります。そのうちのひとつが「顧客への情熱」というものです。我々も天龍さんを見習い、お客様の真のパートナーとなり、顧客の求める物を提供できるようにさらに努力していきたいと思います。

新社長による最初の挑戦として
動物の痒みと痛みに対処する

――今年度、具体的に新製品の予定はありますか?
加藤
コンパニオンアニマル(ペット)の分野で2つの新製品を発売します。これらの薬で「痒みへの挑戦」、そして「痛みへの挑戦」をします。それ以外にも発売に向けて数多くのペットや畜産用の新薬を国内試験しています。
――最後に天龍さんから、27年ぶりに再会した加藤社長に何か贈る言葉を。
天龍氏
そんな大したものはありませんが、全日本プロレスのときに感じたことをお話しましょう。
加藤
まさに天龍革命のころですね。
天龍氏
はい。当時はライバル団体の方が真剣勝負しているなんて言われていました。悔しいと思っても、こっちには受けてくれる相手がいない。だから格上とされていたレスラーにもガンガンいくことにしたんです。そのうちに同調してくれる仲間や後輩が増えて、そして気が付いたら業界にも影響を与えるくらいの存在になっていました。
加藤
よく覚えています。
天龍氏
会社もそれと同じだと思います。社内でのいい競争が活性化を生む。そこで蓄えられた力が、ひいては業界発展につながるんじゃないでしょうか。
加藤
まさに切磋琢磨ですね。27年ぶりにグッとくる言葉をありがとうございます。
――ではゾエティスの新社長になられた加藤さんから読者の皆さんへメッセージを。
加藤
私も大きく業界を変えたいと思っています。製薬と言うとどうしても人体薬が注目されがちですが、獣医療の社会への貢献は大きいものがあり、もっと日が当たってしかるべきだと思っています。特に獣医師の先生方や生産農家の方々、そして製品を供給していただいている特約店の方々は、毎日本当に頑張っていらっしゃいます。 そのような皆様方のお役に立ちたいと常々思っていますし、ゾエティスは革新的製薬企業として皆様方のパートナーとなり、業界自体の地位向上、そして発展に貢献できるよう一生懸命取り組んでいきますので、今後ともご愛顧のほど、どうぞ宜しくお願いいたします。天龍さん、今日は本当にありがとうございました。
天龍氏
こちらこそ、ありがとうございます。懐かしい写真が見られて嬉しかったですよ。